大野浦(廿日市)

終焉の地・宮島へ

宮島から対岸の大野浦は目と鼻の先。
だけど、五郎は二度と周防に戻ることはなかった。
近くて遠い、目に見えているのに届かない、そんなもどかしい思いになる。

岩国駅

世界遺産・厳島神社へ向かうには、広島市内からのルートのほか、岩国を起点とするルートがある。
首都圏など、遠方から訪れる場合、飛行機を使うならば、広島空港より岩国空港から列車というルートを使うのが普通。
となると、出発地点は山口県内なので、二県にまたがって観光が可能。
岩国には錦帯橋や、岩国城などがあり、県内の観光の目玉でもあるから、これを逃す手はない。
若山から宮島を目指す僕たちにとって、スタートは当然、山口県側。移動はそのまま五百年前と同じ。違う所は、船ではなく列車を使っていることくらい。
当時は現在の橋も城もなかったわけで、岩国で観光をした記憶もない。

大野浦


大野浦の写真は、車窓からのものとなった。イマドキの民には、当然、僕がどんな気持ちで同じ車内にいるかなんてわからない。
そして、この子どもにも……。

ひゃー。電車ってすげーー

こら、ウロチョロするな! 相手から見えてなくても、ぶつかると危ないから

ちっ

岩国を出て、「あ、海だ!!」となるのがこの辺りからなので。
ここまでくると、もう宮島が近いのだと肌で感じられてぞくぞくするのである。

この感覚は、広島駅ルートだと味わえない。
(むしろ、安芸から攻め込む毛利軍となる……。後に、僕も『攻め込んで』みたけどね)
ちなみに、大野浦はとっくに広島県。廿日市市になる。
二度と戻れない旅を疑似体験しているとなれば、周防国を離れてしまっていると気付いて感傷的にもなるよ。

地図を見た感じだと、近くに海がないね……謎。
なるほど。地図を縮小し、下にスクロールすると、線路が海にピッタリ張り付く感じになる。僕たちが撮影したポイントは多分ここら辺だったんだ。

さらに、地図を観察すると、大野浦から宮島が本当に近いことが分かると思うよ。
最も近付く地点だと、文字通り目と鼻の先なんだ。
後から辿ってみることになるけども、船を求めて最後に辿り着いた辺りは、もどかしいの一言だったと思うよ……。

大野浦付近・みどころ

大頭神社


推古天皇11年(603)創建の嚴島神社摂社。
御祭神:大山祇命、国常立命、佐伯鞍職命(厳島神社初代神職)
大野浦駅徒歩20分

門山城


安芸国侵攻ルート上にある山城。元々宮島・勝山城使用、海路メインだが、陸路ならこっち推奨。とてつもなく急峻な断崖絶壁が続くとんでもない城。よくもこんなトコ人入っていたよね……。
アブ、ハチ、奇怪な爬虫類に襲われ、細い道に挟まり、ニンゲンの登山は困難。なのに、「入門」レベルの山(城)扱い。ここより難易度・高なトコどんだけスゴイの? ミルはもう、二度と来ないからね。
元の城は、吉川元春にぶっ壊されたと言われており、そうでなくても放置荒廃するイマドキの山城。頂上の看板も文字が読めないくらいほったらかし。

常備してるアルコール消毒液で拭いてから撮ろうかと思ったケド、力尽きてたの……。

初出:2020年12月1日 10:33 『周防山口館』イマドキ周防国・大野浦(廿日市市)
※加筆(大頭神社、門山城)&修正

大野浦駅

大頭神社

門山城

ついでに読む